蟻道
古いお宅で蟻道を見つけました。
柱の下の土間が湿気ていて、そこからのようです。
蟻道を少し払ってみると、中ではシロアリが黙々と働いていました。
築100年程の建物でしたが、途中手を加えられ支柱とされていた新しい木材がやられていました。
古材は時間が経つほどに硬くなる。シロアリは辺材や春材部を好むから、柔らかく新しい材は打ってつけだったろう。
木造住宅にシロアリの問題は付き物と言えます。
が、蟻害が起こるまでにはそれなりの時間がかかります。ポイントを抑えておくことで被害を防ぐことができるのです。
木は、時間が経過して腐るのではありません。腐朽菌が繁殖することで、木材は腐るんですよね。
腐朽がみられると、シロアリが繁殖するには相応しい環境ということになります。
だから、ポイントとして、
腐朽菌が繁殖する条件があることを知りましょう。
1.温度 2.湿気 3.空気 これだけです。
このいずれかが欠ければ繁殖しないんです!
被害が起きてから対処するのではなく、被害が起きないようにするということ。
薬などがない時代に、これだけ長く木造住宅が残ってきたのだから、その訳を先人に聞いてみる。
昔は、年末の大掃除では畳をあげて床下の換気に務めました。
冬場低い太陽は、室内の奥の方まで陽を送り、その紫外線で床下を殺菌しました。
腐朽菌やシロアリだって、自然界では必要不可欠な存在なんです。
彼らの生態を知って、うまく共存できるということは、快適な生活と家を長持ちさせることに繋がるのです。