「松山」の松

古民家などの大きな梁を見て、その迫力に息をのむことがないだろうか。粘り強く、油分の多い「松」は、湿度の高い日本において住宅の横架材によく使われてきました。松山を訪れた際、見上げるほど高く、造形も立派で見惚れるような松に目が留まりました。虫害より、日本の松は減少したとされ、今では赤松や黒松などの地松は希少となっています。今の家づくりで使われる松は、ほとんどが「ベイマツ」で、ベイマツとは「米松」、つまりアメリカ松が使用されています。家を建てる際、できればその土地に合う材を選びたいものです。四季があり、温暖湿潤な日本の気候では、乾燥した国で育った木を使うより、その土地の気候風土で育った木を使う方が、長く持つ丈夫な家となることでしょう。地産地消と言ったもので、住まいもそうあるべきだと思います。市内を巡っていても、九州で見るより立派な松が多く、そんな会話をしていたら、「やから”松山”なんやろ」と。あ、そうか!

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