小舞の好き

古民家に見られる土壁。

土壁ができるまで…
土と藁に水を混ぜといて。藁が腐り、藁の繊維質が土と馴染んで粘りのある土になったら、壁にします。

土をつけるための、柱に小さな穴を開けて竹を等間隔に渡し、縦横縄で結んだ方眼状の格子を作ります。 

 
これが「小舞」と呼ばれるもの。

私は、なんとも「小舞」が好きです。
なんというか…
まず言葉の響き、文字の形、『小さな舞い⁉︎』っていうのが好きだし。
何もないところに、ガンっとしたものができる、無を有にするみたいなとことか。
内と外ができる時の何か…相対感みたいなもの。
じきに遮断される光とか、想いを馳せる。

小舞の隙間から光の刺すのを見ると、幻想的じゃないですか~

小舞ってイイと思いませんか?

 

小舞下地ができると、いよいよ構造の一部となる荒壁塗りを行います。
そして下塗り、中塗り、上塗り…
時間をかけて、何度も家のあらゆる面をさすって行きます。

ここまで手間をかけて土壁をつくるのには、訳があります。
土壁は、防火性、断熱性、遮音性、吸放湿性、耐久性に優れていて、高温多湿の日本の気候風土に合うのです。

やはりそうでしょう?
すべては住まい手のために作られる。
この安全性や快適性を住まい手に送るために、こんな手間や労力をかけるのですから。

仕上がった白は、えも言われぬ美しさなんです。 

 

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