「住居」と「住まい」
「住居」や「住宅」と言うよりも、「住まい」と言う方が安らいだ雰囲気をもつのはなぜでしょう。
住居は、雨風から身を守るために、また寝食のため身を置くところ という感じ。
住まいは、日々の生活を営み、家族を育むところ、また落ち着けるところ といった感覚を受けます。
「住居」や「住宅」のように音読みをする言葉が漢語。訓読みをする「住まい」などは大和言葉といって、私たちの先祖が予てより使っていた生粋の日本語なんですって。
「大和言葉」を見ていると、日本人ならではの面白い感性を伺えます。
例えば「故郷」というより「ふるさと」という方が、穏やかで懐かしい思いが蘇るような気がしませんか?
日本は「言霊の幸ふ(さきわう)国」という謂れがあるように、先人たちは言葉に想いを乗せて使ってきました。
言葉ができる頃の、とってもとっても古い昔から日本人とは人の心や、想いを大切にし、心の会話をしていたのです。
だから、住居よりも住まいといった方が安らいだ雰囲気を感じるのかもしれない。
新しい住育という分野を進めるにあたって、「住まいを考えよう」とお伝えしています。
どうしても「住居を考えよう」とは思えません。
やはり住に関する心の学びや大切にしたい想いを繋げたいと思うから。