昭和二十一年四月十日

解体現場で、やけに綺麗な新聞を見つけた。
日にちは、「昭和二十一年四月十日」
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当然ここが空き家になるよりずっとずっと昔。どこに眠っていたのだろう。
住まう人の思い入れのあった日だったのかもしれない。

この日どんなことが起きていたのか、気になって開いてみた。

なんと衆議院議員総選挙の投票日だという。

しかも、敗戦した日本にとって初となる選挙のようなことが書いてある。

調度、大阪の「都構想」を賭けた注目の選挙に、私もいろいろと思うことがあったので、タイムリーにというか、目に留まった。

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戦後日本の初選挙は、驚くことに、

259の各党各派および無所属2,772名の候補者が立候補したと書いてある。

信じられない人数です。

どうやって選べばいいんだろう…そう思うけど、敗戦後、日本をどうにかしないといけないと思い、立ち上がった人たちがこれだけいたということ。

皆が本気で思っていたんですね。

『日本人が民主政治をやりえるかどうか、全世界から見られてる。
国民1人1人の政治的自覚と、どう判断するかを試されている。』

そう呼びかけ、選挙意識をあげています。

その例えがわかりやすい、

『今日は、日本国民全体が国際社会の仲間入りができるかどうかの試験を受けているようなもので、試験である以上、欠席(棄権)することはそれだけで落第なのだ。

また、試験である以上、答案(投票)を出すだけでなく、どんな答案を書くかが大事だ。』

と書いてある。

国民1人1人が国を支えている、創っている。今もそれは変わらないはず。

『今日の投票は、お互いの明日の日常生活を支配するものである。』はずだ。

今、これからの未来を思って本心で変えようと思って立ち上がる候補者、また投じる有権者はどれだけいるだろう。

世界からはどう採点されているだろうか。

この日の選挙で、どんな人たちが当選して、どんな政治が行われてきたのか知らないけれど、今日の日本へ踏み出した第一歩だったんだな。

果して、先人たちが願ったような未来になっただろうか。

ここら辺でもう一度、未来の子どもたちのために、1人1人が本気にならないといけないと思う。

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