感謝の解体

自然乾燥した地元の材を使って、将来古民家と言われるような長く住み続けることができる家に建てなおすため、これまでお世話になった築80年のこの家を大切に解体します。

もちろん、使える材は再活用するため、丁寧に取り壊させていただく。
ありがとう。ありがとう。
今まで家族を守ってくれてありがとう。
育んでくれてありがとう

解体屋さんと古材の話になりました。

これまでたくさんの立派な材を棄ててきたこと。
その度に勿体無いと思っていたこと。
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解体屋さんは知っている。

今の家を壊すのは簡単。ともすると、倒れるのだそう。
だけど、昔の家はしっかりと組んであり、時間の経過で身が締まり、壊そうにもなかなか壊れない。

壊れるものかとふんばり続ける木の強さや逞しさ、そして優しさを知っているから。
そんな家を支えていた大きな梁や柱が棄てられていくのは、無性に心許ないのだ。

木は、伐り倒されてから200~300年までの間はじわじわと強度が増して、強度が落ちるのは800~1200年後という途方もない未来の話です。

古民家に使われている材は、その長い時間が経過した分、強固でとても貴重な資材なんです。
時間は、取り戻すことはできないし、作ることもできないのですから。

現在の住宅に使われている木材の多くは、KD材(強制乾燥材・人工乾燥材)と言って、人工的に乾燥させた木材です。
悲しいかな、既に呼吸を絶たれているのだから同じように長く強くなっていけるとは思えません。

時間がかかっても、自然の言う通りに従って。。。
家族を守る家、一生の内の数年くらいはかけてもいいんじゃないでしょうか。

丁寧に取り出してもらい、これまで強さを増してきた古材と、これから新たに強くなっていく自然乾燥の新しい地域材で、希望の未来に新民家を送ります。
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